ボルトは頑張れと言われても!?
■締め過ぎないで下さい。
締付けが強過ぎると「ねじ」は緩んだり、壊れたりします。「ねじ」の締付け応力(締付け軸力をねじの有効断面積で割った値)は「ねじ」の降伏点あるいは耐力の70%を最大とするのが安全です。特に、一般市場のステンレス鋼製の「ねじ」は、A2-50(SUSXM7など)というクラスが多く出回っていて、耐力が210MPa(21.4kgf/mm2)のJISの「ねじ」の中では最も低く、締め過ぎるとすぐねじ緩みを起こすので注意してください。また、「ねじ」の材質をSUS304とご指定になっても、市中では、このクラスが代用されている(耐食性は同じ)ことをご認識下さい。
■ねじ緩みを防いで下さい!
■締付けが緩いとボルトは壊れやすくなります。
ねじ緩みが起きると、ボルトなど「ねじ」が疲労破壊しやすくなります。これは締付け後作用する外力をボルトが負担しなければならない率(ボルト内外力比)が大きくなるからです。最初の締付けが緩くても同じ現象が起きます。
■大きな振動性外力が作用するとボルトはつらいのです。
適正締付けがされていても、作用する外力が大きすぎるとボルトは疲労破壊します。「ねじ」の非破壊設計をやり直して下さい。
■「ねじ」は曲げが嫌いです。
「ねじ」が着座する面や被締付け部材の接合面が傾いていると、締付けたとき「ねじ」の内部応力は引張りだけでなく、曲げが加わります。こうなると「ねじ」の許容応力より格段に小さい力で「ねじ」は壊れます。タッピンねじが斜めに締付けられたときも、同じ現象を起こします。
■一度大きな負荷がかかったボルトは取り替えて下さい。
予期せぬアクシデントで大きな負荷がかかった「ねじ」には、微小割れや内部欠陥が生じている可能性があります。これが思わぬ破壊の原因になります。安全のため新しい「ねじ」に取り替えて下さい。
■保証荷重を厳守して下さい。
アイボルト、アイナットには、破壊に関する保証荷重が決まっています。これを超えた荷重がかかると、壊れるおそれがあります。ちょうどボルト・ナットもトルクはく離強さが決まっています。これを保証トルクと考えて、締付けて下さい。 |
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