知ってるつもりが怪我のもと。
「ねじ」は身近な金物です。これまでは、その使い方は、お使いになる方にお任せしていました。しかし、あまりに身近なものであるため、よく知ってるつもりで、気軽にお使いになると、「ねじ」が緩んだり、抜け落ちたりします。「ねじ」締めにも、ある程度のスキル(技術的な慣れ)が要ります。また、「ねじ」には、過信してはいけない常識もあります。
■締付けが足りないと、ねじ緩みが起きます。
「ねじ」は回転させる力(締付けトルクと呼ぶ)を与えると、締付けたいものを押さえる力(締付け力と呼ぶ)が生じます。ちょうど良い締め具合で、最良の締付け力が得られます。力の弱い子供さんが、大人用の工具で締付けたときなど、締付け不足で、ねじ緩みが起きやすくなります。
■締め過ぎでも、ねじ緩みが起きることがあります。
ねじ緩みは、締め足らずだけでなく、締め過ぎでも起きます。軟質材を締付けるときこのような現象が起きやすく、このようなときは、もう一度、追い締めして下さい。
■締め過ぎると「ねじ」や周辺機器が壊れることがあります。
「ねじ」の締付けは、強いほど信頼できると考えている人がいます。一般的にボルトは締めすぎると、ボルト自身が壊れ、十字穴付きねじは、十字穴かねじ回しの先端が壊れます。普通のナット(軟鋼や黄銅製)や相手材にめねじが設けてある部品の場合、高強度ボルト(たとえば六角穴付きボルトなど)を使って締付過ぎたときは、めねじが壊れます。このようなときは、締付けている人には、めねじが壊れる寸前まで自覚症状がありません。壊れる寸前で締付けを止めたときが、アブナイのです。締付けたあと何かの力がかかると、「ねじ」や周辺機器が壊れたり、これらが変形してねじ緩みを起こしたりします。
■「ねじ」のめっきは一時的な錆止めです。
普通、「ねじ」や「ファスナー」に施してあるめっきは、薄い亜鉛めっきです。亜鉛めっきは「ねじ」などの素地を保護する機能はもっていますが、野外や浴室で使うとき必要な耐食性はもっていません。「ねじ」などは腐食すると体裁を損なうだけでなく、壊れることがあります。めっきの耐食性を過信しないで下さい。 |
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