馴染みだからといってちょっとぞんざいじゃない?
■小ねじも適正締付けしないと危険です。
ねじ締結を重結合と軽結合に分類すると、小ねじを使う場合はたいてい軽結合です。したがって、小ねじは強度区分4.6か4.8が一般的です。耐えられる締付け強さの限界は、六角穴付きボルトのおよそ1/4です。強く締め過ぎると「ねじ」が伸びて、ねじ緩みが起き易くなります。もちろん、締付けが弱過ぎても緩みは早く起きます。適正締付けの項をよくお読みになって、ちゃんと締付けて下さい。
■周辺部品の精度・強度に配慮して下さい。
呼び径3mm(M3)の小ねじをごく普通に締めても、およそ100kgfの力で締付けることができます。大人の男性の体重のおよそ1.5倍に相当します。周辺部品の精度が良くないと、これが弾性変形して組立てられる製品の形状精度や性能に影響します。周辺部品の強度が低いと、これが塑性変形して、ねじ緩みの原因になります。わずかな塑性変形でもねじ緩みは起きます。
■タッピングねじは工具ではありません。
タッピングねじは、自分でめねじを作って締め付ける性能を備えています。したがって、ねじ込み性能を優先して選択しがちですが、締結用のねじであることを忘れないで下さい。ねじ込み性能を高めるために、硬くし過ぎたタッピングねじは、遅れ破壊の心配があります。
■十字穴に合ったねじ回し(ビット)をご使用下さい。
ねじ用十字穴は、2X5+1の11種類あります。大別すると従来、わが国で普通に使われていたH形(フィリップス形ともいう)と時計や眼鏡などの使う小さいねじ用のS形があります。ヨーロッパで普及したZ形(ポジドライブともいう)も輸入機器に使われていることがあります。ねじ回しの場合、大は小を兼ねることはできませんが、小は無理すれば大を兼ねることが出来ます。
「ねじ」に成形されている十字穴にぴったりと合うねじ回しやビットを選んで下さい。不適切なねじ回しで締めると「ねじ」の十字穴を崩したり、締付けが不十分になったりします。
建築内装用などのねじ締め作業で、「ねじ」を口に含むようなことは絶対にしないで下さい。
表面処理剤に有害物質が含まれていることがあります。また、誤って飲み込んだり口の中を傷つけたりすることも考えられます。「ねじ」を絶対に口に入れないで下さい。 |
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